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蔵人日記
> 大牟禮杜氏のきまぐれ日記
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第1回 杜氏になって
第2回 坪掘り/1
第3回 坪掘り/2
第4回 製造突入!!
第5回 製造/1
第6回 製造/2
第7回 見学者
第8回 大吟醸と芋焼酎
第9回 芋焼酎紀行/1
第10回 芋焼酎紀行/2
第11回 杜氏の蔵日記030909
第12回 杜氏の蔵日記030912
第13回 杜氏の蔵日記031012
第14回 杜氏の蔵日記031201
第15回 3回目の浅舞酒造
第16回 芋の伏せ込み作業
第17回 芽立ち
第18回 笑顔の似合う蔵人達
第19回 植え付け
第20回 第一回芋農家の会
第21回 浅舞酒造だより(1)
第22回 浅舞酒造だより(2)
第23回 浅舞酒造だより(3)
第24回 浅舞酒造だより(4)
第25回 新入社員歓迎会
第26回 芋苗の植え付け
第27回 もうすぐ梅雨入り
第28回 創立30周年祝賀会
第29回 芋の植え付けが終わって
第30回 製造に向けて
第31回 甘藷組合の撮影会
第32回 2005年造りを振り返って(1)
第33回 2005年造りを振り返って(2)
第34回 天の戸編
第35回 苗床の準備
第36回 苗の植え付け
第37回 優良品種の苗
第38回 よかばん☆サッポロ
第39回 新組合員
第40回 日照不足
第41回 とっちゃん嫁を貰う
第42回 坪掘り
第43回 今年も始まりました
第44回 沖縄から初参上
第45回 珍名さん集合
第46回 芋切りカルテット
第47回 全自動洗濯機
第48回 早や1ヶ月が過ぎた
第49回 パトロール
第50回 祝50回
第51回 雨にも負けず
第52回 新焼酎
第53回 黒瀬杜氏
第54回 巡回指導
第55回 やはり人間だった
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第56回以降の「蔵人日記」はこちら
大吟醸と芋焼酎[2003年1月]
月21日、
鹿児島、東京と飛行機を乗り継いで、私は雲の上にいました。
正午過ぎ、飛行機は秋田空港に着陸する為の下降を始め、その瞬間、雲の切れ間に『真っ白に雪化粧した秋田平野』が目に飛び込んできました。
なんか川端康成の「雪国」みたいになりましたが、今回は念願叶って秋田県平鹿郡平鹿町にある『浅舞酒造』と言う清酒蔵で大吟醸造りを体験する事になったのです。何しろ、私は自分の蔵の造りしか知りません。師匠の黒瀬杜氏に習ったことを基本にいろいろやってはいますが、他の蔵での仕事は経験がありませんし、まして清酒造りを体験できるなんて夢のようでした。だからこの話があった時はとってもうれしかったですね。『子供が遠足の前夜に眠れない』、そんな気持ちでした。
て、
清酒と焼酎は何が違うかと簡単に言うと、清酒は醸造酒(搾り酒)、焼酎は蒸留酒という所なんですが、基本的には造る過程はほとんど一緒で、違うのは原料と仕込み時の温度管理ですかねー。
りの中で、
まず最初に米で麹を造ります。これは清酒も芋焼酎もほとんど同じやり方なのですが、米の精白歩合が違います。純米酒は、50%前後の精白歩合、まして大吟醸たるや38%と、米のほんの中心部(真珠のようでした。)だけで造るという、私から見たらとんでもない精白歩合なのです!ちなみに弊社が使用している原料米の精白歩合は約80%です。
精米が済んだら原料米を洗って蒸す訳ですが、何しろ場所が場所だけに(秋田県でも雪の多い所として有名な横手市の近くです。)寒いのなんのって。南国生まれの私にはかなり堪えましたネ。冷たい水(水温8℃くらい)で素手で洗って水切りする作業は、私にはとても新鮮で感動すら覚えました。自分たちはいつも機械相手で仕事をしているものですから、米に心が通じていないようなそんな気がした洗米作業でした。洗米の次は、米を蒸します。これはほとんど芋焼酎のときと変らないのですが、さすがに精白歩合38%の米は蒸したらピカピカしていて、食べても美味しかったですね。(芋焼酎用の米もうまいですけどネ。)
右端が浅米酒造の森谷杜氏さん、真ん中が私です。
づいて醪ですが、
これは私たちがやっている醪の温度管理とは全然違いますね!!
大吟醸の場合は、とにかく低温(10℃前後)で長い期間発酵させていきますね。醪日数で、約40~50日ぐらいですかね。寒いところだからできるのでしょう。(焼酎だったらとっくに腐らせています。)それから、発酵が終わったら液状(清酒)と粕に分離します。これを上槽(じょうそう)、又は槽掛(ふながけ)と言います。
芋焼酎の場合はどうかと言うと、醪の最高温度は32℃で、麹を造ってから蒸留するまで16日~18日かかります。鹿児島は暑いので、醪の発酵期間を長くしすぎると腐ってしまうので、サッサッと蒸留してしまいます。
酒造りは、
原料米から醪まで細かい作業にこだわりながら気長にやっておられて、今、自分が焼酎造りの中で足りないものが少しはわかった3泊4日の体験でした。今後はこの体験を活かして、うまい焼酎を造っていきたい、そう思っています。
また、今回私を清酒蔵に紹介して下さった秋田今野商店の専務さんを始め、心より受け入れて下さり、貴重な体験をさせて下さった浅舞酒造の社長さん、杜氏さん、蔵の皆さんには本当に感謝しております。
最後に清酒造りに関してはまったくの、ど素人なもので、多少の勘違いは大目に見てやってください。
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